BALDR FORCE

戯画


ネット世界における人型戦闘ツール『シュミクラム』を操り、
ハッカーとして気ままに過ごしていた主人公。

しかしハッキングチーム最後の大仕事として軍[FLAK]のデータベースを
ターゲットに選んだことから主人公の人生は大きく動き出す。

ネット空間内での軍[FLAK]とテロ組織[飛刀:フェタオ]の抗争に巻き込まれ、
親友は主人公をかばい不慮の死を迎える・・・。
親友の形見に復讐を誓う主人公。

彼はそこから軍[FLAK]やネット警備会社[V S S]、テロ組織[飛刀]の様々な人物と出会い、
共に戦い、あるいは敵対することになる。
だが、それぞれ独立し無関係と思われた人物、エピソードは、
過去に起った、ある出来事に繋がりがあったのだった・・・。
主人公は知らず知らずのうちにその繋がりを中心とした争いに深く関わり、
最終的にその出来事の全貌が明らかになったとき主人公は、
愛するものを救うため、自分の存在をかけた戦いを挑むことになる・・・


 『BALDR FORCE』です。アクションとADVの融合…。この言葉だけではあまり良い印象は受けないのではないでしょうか?ちょっとしたゲーマーなら不穏な空気が流れそうなものです。
 過去の前例から考えて、二つのジャンルを掛け合わしたゲームはあまり良い作品はないかと思われます。 しかも、その二つがアクションとADVというゲームジャンルとして両極端に位置するゲームでは、特に相容れないものだと…しかもADVに関してはエロゲーです。食い合わせが悪すぎるでると思われても致し方ないでしょう。

 しかし、こと『BALDR FORCE』に関してその定説は適応しません。
この手の毛色が違うジャンルを掛け合わせるゲームは、片方に重点が行ったものになるか、下手をして共倒れの状況になるのが関の山です。
 …ですが、『BALDR FORCE』はそのどちらにも当てはまりません。『BALDR FORCE』はその両極端に位置するジャンルを見事適合させてなお、更なる高見へと昇華しているのです。

 『BALDR FORCE』のアクションは単体としてみても非常に面白いものです。普通はアクション要素などADVの進行に妨げになると思われがちですが、『BALDR FORCE』に置いてはそんな無粋なものではありません。
『BALDR FORCE』に置けるアクションは非常にテンポ良くかつ軽快な出来となっており、しかも、やり込み要素が多くアクション好きな方でも十二分に楽しめるものとなっています。

 ADVの内容に関しても素晴らしいです。
このゲームは攻略手順が固定されており、徐々に物語の謎が解明される仕様になっています。一週目でその惹き付けられ、二週目三週目と重ねていく内に『BALDR FORCE』という物語に取り込まれていることは必然でしょう。
 『BALDR FORCE』はADVパート→アクションパート→ADVパート……といった風に交互にそれぞれのパートが進んでいくのではなく、アクションとADVを文字通りに融合させています。
 戦闘中にADVでよく使われるウィンドウ枠が開いて、メッセージが導入されボイス付きの会話がはじまり、そのまま戦闘も同時に進行します。これで燃えないはずがありません。脳内麻薬がビュンビュンあふれ出る勢いです。


キャラ別感想

瀬川みのり

 軍の第一小隊サポートメンバー。
眼鏡で地味です。地味子です。
…ごめんなさい。これぐらいしか記憶していません。
ストーリーも非常に普通でした。言うなればこのゲームの導入キャラですね。
つーか、透(主人公)が彼女を好きになった過程が全然書かれていないので色々と釈然としません。
 …何かありましたっけ?

紫藤彩音

 第一小隊のメンバー、それでいてエースパイロット。
無口系のお姉さんキャラです。無鉄砲に突っ込むのが玉に瑕。
それでいて、汚れ要因ですね。シナリオによってはゲンハ(典型的悪役)によく嬲られます。
嬲られるたびに「またかよ!」と突っ込みを入れたくなりますね。

 シナリオは非常に熱いです。
彼女のBADENDは大好き。よってTUREENDは私的に認めません。

…セカンドプレイキャラとしておすすめです。

笹桐月菜

 典型的幼馴染み。もう毎朝起こしに来るぐらいの典型です。
ハッキングチームの準メンバーで、チームの解散(壊滅?)後はVSSに入社します。

 彼女のシナリオから物語は一変します。
透は上記の二人のシナリオだと軍に入隊するのですが、月菜シナリオだと彼女と同じく透もVSSに入社しますし。
彼女のシナリオは色々と鬱憤がたまりますね。二人揃って洗脳されたりしますし。

リャン

 チャイナ娘。立ち絵から扇を持っていると気合いの入ったチャイナっぷりです。
語尾がアルアルしていないのが、非常に残念なところですね。
たとえシナリオのシリアス度が下がってもアルアルして欲しかったです。

 このシナリオは凄まじいです。なんと僕らの透君がテロリストに!
そしてこのシナリオは人が死にまくりで殺しまくりDEATH。
幼馴染みの月菜を殺したことにも気づかないなんて、透君もうっかりものですね。てへ。

バチェラ

 ロリボクキャラ。そして天才。
小生意気なガキなんですけど、どこか憎めません。このシナリオのラスボスですけど。
…というか、このゲームは攻略ヒロインのラスボス率が高すぎます。3/6の確率でヒロインがラスボスです。
透君って本当は嫌われているじゃないのかと邪推をしたくなる確率ですね。

 彼女のシナリオでよくやく色々見えてきます。
謎究明編と我が心中では呼んでいます。嘘です。
ところでこのシナリオのBADEND酷すぎませんか?お腹が痛くなりましたよ。

水坂憐

 主人公の妹。義妹ではなく血の繋がった妹。
ソフ倫の網をかいくぐって、やってくれましたね!戯画さん!
まぁ実際は腹違いの妹ですが。…それでも十分です。ひゃっほい。
(EXEでは修正されたようですが、私のプレイしたのは無印の『BALDR FORCE』なので関係ありません)

 彼女のシナリオで全てが解明します。そのカタルシスは異常に心地良いものです。
それに加えて、非常に熱い展開ですね。戦闘中に主題歌の「Face of fact」が流れたときにはもうドーパミンが耳からこぼれ出る勢いでした(こぼれません)。

「お兄ちゃん…来て」

 に二桁ほどやられましたが、こちとら痛々しいまでの妹萌えなので憐は『BALDR FORCE』の最萌キャラです。


 戯画の最高傑作と謳われている作品なので、やって損はありません。
このゲームはEDが各キャラ三つずつあるんですが、どのEDにも手抜きがありません。特にフィナーレを飾る憐シナリオのEDは三つとも非常に良く出来ています。
三つとも本当に甲乙が無いぐらいです。ちょっと寂しいEDが中心ですが、満足の行くものばかりでした。
 『BALDR FORCE』のグランドフィナーレを飾るのに相応しいものだったと思われます。

 この『BALDR FORCE』こそ、誰にすすめても満足のいくエロゲーの代表格として挙げてもいいかもしれません。
…まぁエロゲーとしてはスカトロプレイがあったりと凄まじいばかりですが。


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