CLANNAD−クラナド−
校門まで残り200メートル。そこで立ち尽くす。「はぁ」ため息と共に空を仰ぐ。 前作であるAIRからおよそ4年近く経ってようやく発売されたCLANNAD。
発表されてからの開発期間も長かったので、発売される前からやれ駄作だ、やれ人殺しゲーだと揶揄されてきましたが、前作、前々作の二番煎じになることなく、全く別種のゲームとしてCLANNADは完成されたと思います。 キャラ別感想 古河渚CLANNADのメインヒロイン。 プレイ中は常に触覚が気になって仕方がありませんでした。違和感を覚えるほど目立ちまくりです。 自分を卑下する性格なので、常に主人公から自分に対して自信を持てと言われている。…親父がアレでよくこんな性格に育ったものだ…。 それに加え、自分に対して褒美を与えることを前提にしてからではないと行動を起こせないほどの引っ込み思案。 なので、行動を起こす前に「アンパンっ」や「カツサンドっ」といった食べ物を昼に食べることを己に約束し、自信を奮い立たせます。萌える。 シナリオは二部に別れていて、ダブりがまたダブるというシナリオと、主人公との同棲・結婚・出産というAFTERストーリーがあります。 後者のAfterストーリーこそ、CLANNADのタイトルを冠する物語ですね。一部では家族というものを知り、Afterストーリーでは実際に家族を築くということを知る、そんな構成になっていると思います。多分。 ところで、テーマ曲の「渚」がだんご大家族とメロディと同じだったとは驚きました。あのメロディにどうやれば「だんごっ…だんごっ…」なんて歌詞を乗せられるんでしょうか…。 藤林杏 かなり途中まであんずと読んでいました。ごめんなさい。 これまでのKeyの作品にはいなかったタイプのキャラですね。分類的にはONEの七瀬留美に近いかもしれませんが、全然違う気もします。 私的に、キャラクターとしてはかなり好感の持てるタイプです。義理や人情に厚く、姉御タイプの性格で、率先して行動をする癖に、こと自分のことに関しては二の次という、謙虚なんだか、そうではないんだか判らない性格です。 シナリオに関しても、その自分を二の次した行動を取ったことが裏目にでる展開になっています。…出来自体はかなりアレでしたが。 主人公のことが好きなのに、妹を優先させてしまった上、キューピット役までやってしまうという典型的な三角関係シナリオ。…少女漫画ですか? ここまではいいんですが、主人公の行動がウジウジしていて、それ以上に思考は自虐的で、少女漫画というより、プチ君望となっています。しかも、君望と同様、このシナリオでの主人公のうじうじする時間が長いこと、長いこと、やっているこっちはかなり陰鬱になりましたよ…。 KEYでは今までになかった類のシナリオですが、このシナリオは駄目駄目でした。…それと、入れ替わりネタは使うだろうな〜とは思っていましたが、髪はともかく、まさか目の色まで変えられるとは思いませんでしたよ…。 脇役に徹すれば魅力的で実に行動的な素晴らしいキャラクターなので、もっと本人のシナリオでも栄えるシナリオにして欲しかったのが、本音ですね。 一ノ瀬ことみ 語尾に「〜なの」を付けるという口癖(澪かよ)。見る限りは頭が緩いのに、実は頭脳明晰で、入れない大学は無いなんていった典型的な鍵キャラ。 「いじめる?いじめる?」という台詞に既視感を覚えたりと、突っ込み所満載のキャラでした。 シナリオは眠い…。日常部分のダルさ加減はどうなんでしょう?ギャグキャラ担当の春原がおざなりにされているシナリオなので日常パートは辛かった。 ライターが涼元さんなので仕方がないかもしれませんけど。しかし、日常部分とは変わって、終盤はかなり好きです。たまに出る間違えようのない選択肢には失笑しましたが。 本職が小説家の人なので、練り込まれた選択肢というのはなれていないのかな…? 一番感動したイベントは「おとといは兎を見たの」「昨日は鹿、今日はあなた」…の下りの部分ですね。最後のスーツケースよりもここの方がよかったです。スーツケースは演出過剰で少しあざとく感じてしまいました。…話は変わりますが、このシナリオでの杏が一番好きだなぁ。本人のシナリオでは本当にアレでしたけど(しつこい)。 そういえば、彼女のテーマ曲である「Etude pour les petites supercordes」は、当初はバイオリンだけだったんですけど、あの屋外コンサートのイベントから後は、渚と椋が使っていたカスタネットとトライアングルが曲に追加されているんですよね。しかも、回想シーンではカスタネットとトライアングルは使われていないらしい。…こだわりを感じますな。 坂上智代 才気溢れる彼女。どの分野に置いても類い希なる才能を持っており、直向きな努力を知っている。高みに上り詰めることが出来る選ばれた人間。 そんな彼女に近づいたのが、我らが朋也君。勉学面に置いて何の努力もしない癖に、他者を斜に見ることに関しては一人前。何故だか彼女はそんな駄目人間にメロメロ。…つまりは彼女を失墜させるシナリオです。 このシナリオに置いて主人公の取って行動は、智代を惚れさせて、振っただけです。後はエロいキスを少々。言うなれば何もしてませんね。 最終的にはこのシナリオは彼女が今あるもの、そしてこれからの未来を全て投げ捨て、主人公を選びます。非常に甲斐甲斐しいです。…朋也君が彼女のヒモになれば全て丸く収まった気がするのは、言ってはならないことなんでしょうか。 彼女のバットエンドを見ればわかりますが、一見心身共に強靱そうでも、その実、精神的にはかなり脆いことがわかります。…今思ったんですが、バッドもトゥルーもそれほど内容に差がないような…。 伊吹風子 私的にCLANNADに置ける最萌キャラ。悦に入った陶酔状態が激プリチー。でも電波。おそらくCLANNADワールドに置いても相当な電波キャラ。お姉ちゃん困惑。プレイヤーも困惑。 しかし、シナリオは泣けた。涙腺が熱くなった。端的に説明すると、(Kanon+ONE)/2=風子シナリオですけど…。麻枝版あゆシナリオと言ったところです。二番煎じかもしれませんが、このシナリオは良かった。 風子の記憶が消えたときの春原、秋生、早苗さん、渚のそれぞれの反応がホント泣きそうでした。特に春原と早苗さんは泣きますって。 秋生と渚の反応は何となく想像が付きましたが、春原の一瞬思い出したときの困惑っぷりと、早苗さんの風子の姿はもう見えてないのに微かに残っている記憶に縋って見えない風子を探そうとするシーンはキますね…。 Afterストーリーと甲乙付けられないほど好きなシナリオです。 風子のノーマルエンドがCLANNADで一番幸せなエンディングだと思うのは間違いでしょうか?渚は自身のシナリオと違い、学校に行けるようになるまで回復し、風子はAfterストーリーより早く目が覚めます。そう考えると、これ以上ないハッピーエンドですよ。 藤林椋 おざなりシナリオ。というか、ユーザー舐められていますよ。椋シナリオと言うより、杏シナリオのバットエンドと言っても良いんじゃないでしょうか? 明らかに杏シナリオに移行するための選択肢が露骨で嫌になります。藤林椋というキャラクターは嫌いではないんですけど、柊勝平とその日のうちに付き合ったりするという移り気の早さにはかなり驚嘆しました。面食いなのかなぁ…。 うーん、あのどうでもいいシナリオの所為で姉のオマケ的なイメージしか浮かびません。もうちょっと気合いを入れて作って欲しかったです。 春原陽平 主人公の友人。ONEで言うところの住井、Kanonで言うところの北川のポジションに座っているキャラです。 しかーし、それらの二作とは違い存在感は段違いです。彼らと違い立ち絵が複数あります。イベントCGもあります。そして専用のシナリオもあります。ToHeartでいう「僕たち友達だよね?」というホモであることを示唆するような内容でもありません。 共闘して乱闘するような熱いシナリオです。根がギャグキャラな上、とことんまでの駄目野郎なので最後までヤキモキしましたが、最後の最後で見せ場をちゃんと作っていました。駄目野郎には違いありませんが、やるときはやります。そんな奴です。 そして意外でしたが、通すべき筋はキチンと通します。それで驚いたのが渚シナリオでの、妹が渚の家にお世話になると判った時はちゃんと渚に妹のことを宜しく頼むと、頭を下げていましたし。そんなところが格好いい。 相楽美佐枝 男性寮の寮母。主人公の入れ知恵で寮生にドロップキックを喰らわせたりする血気盛んなお人。 しかし、昔は主人公の通っている学校の生徒会長としてブイブイ言わせていたらしい。24歳説が有力。 古河秋生 渚の父親。彼のシナリオをやってみて思ったが、このゲームで人間的に一番凄いのは彼なのかもしれない。やりたい放題やっていてあれだけのものが付いてくるのは凄い。人としての器の大きさが覗えます。 というか、格好良すぎです。OPムービーでの「この町と、住人に幸あれ」は痺れました。本編ではあまり言葉通りの意味ではなく、穿った見方の入った意味合いでしたが。 古河早苗 渚の母親。CLANNADで一番年齢が気になるお人。少なくとも18才の子供がいるようには見えないらしい。 作中に何度も渚の姉と勘違いされていましたし。実際に若いわけではなく、ゲーム開始時点で少なくとも30後半は行っていると思いますが…。 ちゃんと大学に進学して、教師にはなれているようですから、10代で渚を生んだとは思えません。あーでも、作中で19前後で産んだと言っていたような…。そうなると、ゲーム開始時で40弱?…んな馬鹿な…。もしかして早苗さんはサイヤ人なんでしょうか? うーん、本当のところいったい何才なんでしょう…。 Afterストーリーでは早苗さんに孫が出来ますが、絶対に早苗さんの孫には見えません。子供と言っても全く差し支えないですよ。…夫婦揃って若すぎやしませんか? 伊吹公子 早苗さんに続く若作りキャラ。美佐枝さんや祐介が在学中に新任の教師だったと言うことですから、結構行っているのでは無いでしょうか? 彼らが18の時に新任ですから、歳はおおよそ22〜24です。つまり、彼らより4〜6才は離れていることになります。 そういえば、美佐枝さんの回想の時からAfterストーリーのエピローグまで全く外見が変わっていないことを考慮すれば、もしかして早苗さん以上の若作りなのかも。 春原芽依 春原陽平の妹。このゲームで一番の世渡り上手。CLANNADでの磯野カツオ。しかし、兄のことになるとその世渡り上手さもキレを失う。 もうちょっと色々と考えて動いていれば、さっさと楽に兄を立ち直らせたのではないのかと思う。まぁそうなったらストーリーになりませんが。…話の内容自体はベタベタな展開でしたけど。 さり気なく私は妹属性持ちですが、主人公の妹じゃないと意味がないので萌えキャラとしては不許可。 芳野祐介 CLANNADの格好いい男の双璧。勿論もう一人は主人公でも春原陽平でもなく、古河秋生ですが。口調がいかにもカッコ付けな人ですが、一二分に見合っています。 野球編ではギャグキャラになっているのが面白いです。「あ、審判タイムね」 意外といえば失礼ですが、出番はかなり多いですね。特にAfterストーリーに入ってからなら古河秋生より出番が多いんではないんでしょうか? 「Love&Spanner」というインディーズアルバムのタイトルは私個人としてはダサ格好いい(ダサイところが格好いい)と思います。 柊勝平 主人公と春原に女と勘違いされるほどの女顔で華奢。かくいう私もゲーム終盤までもしかしたら女なのではないだろうか…?と思っていましたが。 主人公に可愛いと言われて照れたり、何ヶ月も付き合っているのにHしていないというのを聞いて未だに男なのか怪しいのですが…。ヤオイ向けキャラですかね…。 まだ秋生さんの方が、その手の方々に人気が出そうですけど。 …ところで杏シナリオ後の彼は骨肉腫の手術をしたんですかね?まぁ別に彼がどうなろうが知ったことではありませんが。 岡崎直幸 CLANNADで最駄目人間。Afterストーリーでも私の中ではそのイメージを払拭することが出来ませんでした。春原の方がよっぽど人間が出来ています。 以下日記より抜粋 Thu. 04.4.29 『CLANNAD−クラナド−』(KEY)げと。 ということで、KEYが4年の沈黙を破って出した作品『クラナド』。ネタバレ全開ですので、下記に書かれている文章は反転してからお読みください。 取り敢えず、KEYの作品をやっているんだなぁという懐かしい感覚を味わいました。ゲームは至ってこてこてな学校モノですね(学校と書けるのが素晴らしい)。 劇中にONEの永遠の世界のような幻想世界というシーンが何度か導入されますが、現在のプレイ範囲では全く意味が分かりません。どうやら数キャラクリアする必要がありそうです。 現在の進捗状況は坂上智代と藤林椋の二人をクリアしました。この二つのシナリオは実にお約束な展開が集約されたモノでしたね。 藤林椋に関しては非常にいい加減なシナリオでした。おそらくですが、まだ未攻略キャラである姉の藤林杏のついでに過ぎないでしょう。個別に入ってから1時間程度で攻略できましたし。 その1時間の過程でも藤林杏に流れるように仕組まれた選択肢が露骨過ぎてちょっと引きましたな。そもそも話を盛り上げるイベントがありませんでした。 坂上智代は…うーん。かなり苦手な話でしたね…。端的に言うと、いくら才能が有ってもその分野に関して何の下積みもない人がその分野に精通している人を圧倒するという光景はかなり嫌いです。 坂上智代のシナリオで言うと坂上智代本人が凄い奴だということを他の生徒から認めさせるために部活を潰して回るイベントに当たるんですが…この手のイベントは物語としてはお約束な展開ですが、私的には最悪の展開です。 坂上智代自体は憎めるキャラクターでもないですど、この流れは酷い。 さて、攻略可能キャラが多いくせに意外と難易度が高いクラナドですが、これからどう展開するんですかね。楽しみです。 Fri. 04.4.30
『CLANNAD−クラナド−』(KEY)を鬼の如くプレイしているので今日の日記はテキトーに。
現在の進捗状況はCG攻略率80%ってところです。おそらくまだ24時間ぐらいしかやっていないと思いますが…。…総プレイ時間60〜80時間は嘘だったのかっ!?Fateの60時間には嘘はなかったのに…。 Sat. 04.5.1
『CLANNAD−クラナド−』(KEY)コンプリートしました。興奮冷めやらぬという感じです。 まとめ
そういえば、CLANNADは18禁作品では無いんですよね。その割には際どい発言が多かった気もしますが。特に秋生さんの発言は家庭用ゲーム機に移植の際には相当苦労すると思いますけど。「いいか、こいつは、俺のあそこから飛び出たものが、巨大化して出来あがったんだぞ」「どうだ、そう考えると気色悪くてキスできまい」
と言う台詞は際どすぎます。シナリオはともかく、ギャグの質は今までの作品より向上しました。これは確実です。ボリュームも40時間を超す大作でしたし、音楽もかなり良いです。特にライターの麻枝准さん自身が作曲した渚はゲームクリア後に聴くと胸が詰まりますね。
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