Fate/stay night

TYPE-MOON


舞台は海と山に囲まれた都市・冬木市。
何の変哲もないこの街に、少しずつ侵食する闇があった。

手にした者の願いを叶えるという聖杯。
その聖杯を実現させる為、一つの儀式が行われようとしていた。
聖杯に選ばれた七人の魔術師(マスター)に、聖杯が選んだ七騎の使い魔(サーヴァント)を与える。

騎士 "セイバー"
槍兵 "ランサー"
弓兵 "アーチャー"
騎兵 "ライダー"
魔術師 "キャスター"
暗殺者 "アサシン"
狂戦士 "バーサーカー"

マスターはこの七つの役割(クラス)を被った使い魔一人と契約し、自らが聖杯に相応しい事を証明しなければならない。
つまり。
マスターとなった者は他のマスターを消去して、自身こそ最強だと示さなければならないのだ。 杯を求める行いは、その全てが“聖杯戦争”と呼ばれる。
この地に起きる儀式は、その名に恥じない“殺し合い”といえるだろう。


TYPE-MOON商業移動第一弾である『Fate/stay night』。
とにかくクリアまでに掛かった時間が長かったです。コンプにおおよそ55時間かかりました。 このゲームをプレイしていた期間は飯と寝ている時以外はずっとやっていた気がします。 プレイ中テキストを読んでいて眠気で書いてある内容が理解できなくなったら寝る……そんな廃人そのものの生活を4日間繰り返し。先ほどクリアをしてようやく解放されました……。 プレイ中にふと、時計を観てみると5〜6時間は平気で経っているという感じでした。それだけゲームに集中出来るのは流石としか言えません。


シナリオは月姫と同じく、いろいろと世界設定の説明ばかりをしているのが印象に残りました。そのことに関してはむしろ月姫より悪化している気もしました。
会話の節々で説明、地の分の大半は説明。……シナリオの半分は説明をしていたんでは無いのかと思えたぐらいです。その所為もあり、読んでいて肩が凝りますが、設定大好きっ子には堪らないでしょう。

劇中における日常パートも月姫のより多くなっていますね。 生きるか死ぬかのさなかに学校に行ったり、デートに行ったりと随分と余裕なモノです。 まあ、常に死と隣り合わせの日常に居るので、いちゃついてる1分後には殺し合ったりと忙しい限りですが。

特に戦闘シーンの迫力はかなり強化されました。勢いのあるテキストに加えて、演出面は迫力があります。 エフェクトも派手ですし、グラフィックもグリグリ動いているので、見ていて飽きないようになっています。

因みに好きな戦闘シーンは『士郎VSアーチャー(凛ルート)』『ランサーVSアーチャー(凛ルート)』『セイバーVSバーサーカー』ですね。


セイバールートと凛ルートは好きなんですが、桜ルートがちょっと好きにはなれません。
このルートの士郎があまり好みでは無かったこともありますけど、それより桜がどうにも好きになれませんでした。自分には桜を好きになる要素が見いだせませんでした。

萌えられるポイントは嫉妬深いところと、見た目と性格に反して大食漢なところですかね?

桜の嫌いな点は、内向的で自虐的でかつ嗜虐的な性格もさることながら、人をあれだけ殺しておいてエピローグに何の臆面もなく「幸せです」と言えるところです。……屍の上の幸せですか。
薄幸キャラはそれほど嫌いでは無いんですが、そういう事情もあってか、桜はどーにも好きになれません。特にあのシナリオをグランドフィナーレと言われても……。

セイバールートは非常にわかりやすく単純な展開だったので純粋に楽しめました。
まぁ気になったのは士郎がセイバーに対して、ことある事に「女の子だから闘うな」と言っていたのが、あまり印象が良くないですね。田嶋陽子に殴られるぞ。自分が一番弱い癖に。 それなのに「自分が死んだら、同時にセイバーも存在できない」ということを知っているのに関わらず、無鉄砲に突っ込み過ぎです。

EDは少し寂しいですけど、あの安らかな死に顔を見れば、セイバーは色々な束縛から解放されたんでしょう。……余談ですけど、イリヤが生きているのもこのルートだけですし(笑)。

セイバールートで初めてあのギルガメッシュの鎧鎧を見たときにはゴールドクロスかと思いました。噴飯モノでしょうよ、アレは。 それと、私服のギルガメッシュと鎧姿のギルガメッシュはとても同一人物に見えません。

凛ルートは萌えで燃えな出来。アーチャーの正体が未来の士郎と気づいた時は「ああ!」と普通驚きましたな。納得。当然のようにプレイ中に一番驚かされた展開です。 言いように奈須きのこ氏に踊らされていますね。

それに加えて、このルートは見所が多かったです。特に好きなイベントを挙げると…

『固有結界を展開させるアーチャー』
『イリヤとバーサーカーの関係』
『ランサーの最期』
『消えゆくさなか微笑むアーチャー』

特にアーチャーの微笑みはキました。あれで彼の心と在り方は救われたんでしょう。

セイバールートと凛ルートを比べると一番面白かったのは凛ルートです。それも圧倒的に。桜ルートは長くてキツかっただけなので論外です。
シナリオとしての出来も素晴らしいですし、特にそれに凛というキャラも好きです。格好いいですし、萌えますな。 完璧人間で合理的思考の持ち主だけど、どこか非情に徹することが出来ず、故に大ポカをやってしまう。……萌えですな。それに凛は劇中の殆どに大きく関わってきます。
自身のルート以外でもその活躍は目まぐるしかったですね。桜ルートでは桜より凛の方が総登場時間が多かったような気もします(実際そうなのか?)。


長かったですけど、それでも良かったです。月姫の時に比べてば、インパクトは落ちた気がしますが、それでも十分に凡百なエロゲとは一線を画しています。

…今後の『TYPE-MOON』の動向にも気になりますね。可能性としてはファンディスク辺りなのかな?私的には攻略できなかったイリヤをどうにかして欲しいところですけど。
プレイ当時の日記