モエかん

ケロQ


11月も押し迫ったある日。
主人公である神崎貴広
(萌えっ娘カンパニー係長、萌えっ娘島メイド育成所所長)は、
秘書霧島香織とともに、
リニア

実相寺冬葉

朝霧かずさ

鈴希

というメイド達に出会う。

5人の女子達との華やかな生活の中で、
それぞれが持つ神崎貴広との様々な関係と過去、
萌えっ娘カンパニーの陰謀が明らかになっていく。


最後に神崎貴広の頬をなでるのは、
孤独な風か…、
優しく暖かい手か…、
血にまみれた冷たい手か…、
それとも……。



 可愛い絵とタイトルに騙されてはいけません。あの『終ノ空』と『二重影』を作ったメーカーです。
萌えだけのゲームなんて作るはずが無いんです。
 目眩く狂気と殺し合いの世界が待っているはずです(偏見)

 ……スタート直後から血と硝煙の匂いがしそうな雰囲気を醸し出しています…。
冒頭から重々しい舞台設定の説明、猛猛しい音楽。

―――流石、ケロQといったトコですね。

 普通の萌えゲーを期待して買った人は面食らったことでしょう。

 劇中の設定はアホのオンパレードですが、皆さん至って真面目です。
『萌えっ娘カンパニー』や『萌えっ娘島メイド育成所』という病的なワードに対して、誰も何の疑問に思っていません。
 ……静かに狂っていますね。

 その後は、とてもとてもケロQが作ったと思えないコミカルな展開が続きます。
学園モノでいうところの日常パートというところです。

 そしてゲームも後半になるともちろん(?)バトルも出てきます。
トンデモ設定のトンデモな攻撃ばっかりです。
腕は舞い、頭は飛び、男も女もバラバラ―――絵も萌え絵から線画の劇画だ!
 …これでこそケロQの真骨頂―――熱い魂の咆吼が聞こえます。


 アホなコトばかり書いていますが、シナリオのデキはまともです。
特に「実相寺冬葉」と「リニア」のシナリオのデキはかなりいいです。泣き所もありますし…。
 特にリニアルートの戦闘シーンは必見です。私的には劇中で一番このイベントが面白いところですね。
基本的にどのシナリオは高水準なんですが、惜しまれるのが霧島ルート。未消化で、完結していません。
面白くなりそうなところで終わります。
 …とりあえず、霧島ルートの補完はファンディスクでなされるようなので期待です。


 一番好きなキャラは「霧島香織」ですね。
言葉遣いが『でちゅ』『まちゅ』を語尾に付けるという危なさで、ナリも登場人物の中で一番幼いです。
…ですが、ヒロインの中では一番しっかりしています。

 彼女はどのシナリオでも一番絡んできて、特にリニアルートの別れはちょっと泣けます…。
彼女自身のシナリオのデキは今ひとつでしたが、戦闘シーンが多かったので嫌いではないです。

 …ゲームの感想を書く度に自分はロリ属性はないと否定していますが、だんだん自身が怪しくなってきました…


 全体的に高水準なゲームです。
シナリオ、CGもそうなんですが、システムにも気合いが入っています。
『緊急回避』という俗にいうところの『ボスが来た!』機能が付いています(笑)
 表示されるCGが、あまり回避になっていないような気がしますが、なかなか面白いです。

 残念なのはアフターシナリオに猟期的なモノが多い所です。
いくらシナリオが感動的でも、その後にあんなコトがあると思うと興ざめですね。
私的には陵辱ルートもいらないと思います。貴広さん(主人公)の性格が変わりすぎ。

 それとVFBだけに書かれてある設定だけの部分が多いところです。
…その辺りは今年中(04年)に発売されるでだろうモエかんファンディスク『モエかす』に期待ですね。



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