月姫

TYPE-MOON


幼い頃の事故の後遺症から、モノの壊れやすい線―――「死の線」を見る能力を持った主人公、遠野志貴。
事故から八年の間預けられていた親類の家を離れ、志貴は実家へと戻る事となる。そこで彼を待っていたのは、すでに他人のような妹と二人の使用人だった。古びた洋館での慣れない暮らしに戸惑いながら、志貴と少女達の新しい生活が始まる。
時を同じくして多発する猟奇殺人事件。その被害者は一様に全身の血液を抜かれていた。ある出来事がきっかけとなり、志貴は「吸血鬼」達の壮絶な戦いに巻き込まれていく事となる―――

純白の吸血鬼は微笑む。
「私を殺した責任、とってもらうからね」


 現在商業メーカーとして頑張っているTYPE-MOONの作品です。

 今更説明する必要がないほど有名なゲームですね。
同人ゲームなのに商業展開の多さには驚きを隠せません。

 …最近になってTVアニメ化もされましたし…(アニメの出来は×××でしたが)。

 歌月十夜や同人誌の影響で明るいイメージが根付いていますけど、実際は暗いゲームです。
人が死にまくりで、重くシリアスな展開が長々と続きますし。


キャラ別感想

アルクェイド

 生まれついての吸血鬼である真祖であり、そのお姫様。

 月姫という綿密で膨大な世界設定を細かく説明しれくれるありがたい人。
メインヒロインなのにヒロインの中で一番出番が少ない不遇な人でもあります。
劇中で一番強い人です。…その割にはよく殺されかけますが。

 シナリオは小難しい内容が多い月姫の中で一番明快でした。
大体の人は一番初めにクリアする月姫の導入的なルートなので話を複雑にしなかったんでしょう。
 バトルシーンも多く、少年漫画の様な面白さがあります。

「私を殺した責任、とってもらうからね」

 の本当の意味に気づいたときはちょっと感動しました。

 それとこのルートの志貴がイカします。

「―――教えてやる。これが、モノを殺すっていうことだ。」

 超絶格好いいです。

シエル

 ミス・アヌスの二つ名を持っているエクソシスト。
上のは冗談として、シエル先輩は色々と名前が多すぎます…。

 普段は志貴が通う学校に生徒として、皆を魔術でだまくらかして潜入調査をしている。
実際は教会という対魔組織の属しており、そこの第七位。
アルクェイドと確執があり、顔を合わすたびに殺し合い。

 シナリオの前半部分は特にアルクェイドルートに準じていますね。
これまたアルクェイドルートに続いてバトルシーンが多いシナリオ。
攻略対象であるシエル先輩や月姫で最強の存在であるアルクェイドと殺し合いをしたりと忙しい限りです。

 …特にこのルートのアルクェイドは怖すぎ。
おそらく劇中で一番怖いです。

遠野秋葉

 志貴の妹。なんとまあ甘美な響きです。
まあ、例によって例の如く義理の妹ですが。
同人なのでソフ倫におびえる必要はないんですけど、演出上の都合により義妹なので良しとします。

 シナリオは遠野家を中心としたルートとしていいます。
バトルはあまりなく、お話を中心としたシナリオです。

 …秋葉のEDは二つとも報われませんね。
ファンディスクの歌月十夜でライター自らその後のSSを書いているので救済処置はありますが。

翡翠

 志貴のお抱えメイド。無口で無表情。
実際は感情を表に出さないだけですが。

 遠野家ルートは琥珀さんの復讐劇だったのね…ということが発露するルート。
通称死にまくりルートですね。
 あそこまで死んでくれるとかえって清々しいです。

琥珀

 性格は明瞭活発でよく笑っている人……と見せかけて…

『口は笑っているけど目が笑ってないよっ! 怖いよママン!』

そんな人。
実際はミス・ペルソナ。心の仮面を被っている。

…同人誌やファンディスクではギャグキャラ化している節がありますが。

 このゲームの黒幕である琥珀さんを焦点にしたルートです。
取り敢えず秋葉の扱いが酷い。嫉妬に狂っています。

 EDは他のキャラと違って一つしかなく、月姫というゲームのフィナーレを飾るに相応しいHAPPYENDです。
…ですけど、普通に考えて秋葉が志貴への想いをきっぱり捨てられるとは思えないんですが。
それを考えるとちょっと心苦しいシナリオでした。

 …余談なんですが、琥珀さんのシナリオは奈須きのこ氏ではなく、別の人が書いたという話を聞いたことがあります。本当かな…?


 濃い設定付けがされているゲームは面白いです。
月姫はエロゲの中でその設定てんこ盛りゲーの代表格でしょう。
 設定オタには垂涎ものの内容です。

 …感想を書いていて思ったんですが、よくヒロインと殺し合うゲームですね。


back

index