V.G.NEO

戯画


V.G.
この世で一番熱く、一番美しく…そして最も淫らな闘い。
勝者は全てを得る。 そして敗者は全てを失う。
少女は、世界でたった二人きりの家族を護りたかった。
少女は、消えてしまった親友と、もう一度本気で戦いたかった。
少女は、誰よりも強い自分になるために、一生懸命頑張った。
少女は、恋に破れ、金だけを信じることにした。
少女は、あてもない旅の最後に、そこに辿り着いた。
少女は、全ての罪を購うために、全てを壊そうとした。
そして少女は、全てを手に入れるために、全てを壊そうとした。
賞金十億、伝説の一等地。
その、まばゆいばかりの光の中に、巧妙に隠された闇。
ルールのみを受け継ぎ、その精神を継がず、
長い歳月を経て、微妙にその姿を変え、蘇る。
V.G.
新たなるそれは…


 戯画が総力を挙げて開発した作品です。
OPがフルアニメーションでなかなか良い出来となっており、戯画の力の入れ具合がわかります。

 基本的にストーリーは一本道で、ストーリーに直接関係しない選択肢と、BADENDに直結する選択肢が幾つかあるだけです。
 なので「〜を攻略する」という概念は無く(主人公が女の子ですし)、恋愛ADVではありません。…もっとも格闘ADVとしても微妙ですが。

 特筆する点は、テキストの地の文が三人称なことですね。
今まで三人称のエロゲーはあまりやったことがないのでなかなか新鮮でした。
 三人称でストーリーが展開するので、キャラクター視点の移り変わりが不自然が無く行われます。
ですので、多方向からストーリーを体験することが出来る作りになっており、場面が目まぐるしく転換するので飽きずにプレイすることが出来ます。


 このゲームのストーリーですが、普通におかしいです…。
掻い摘んで言うと、皆さん真面目な顔で、おかしなことを真剣にやってらっしゃる。
 V.G.NEOというストーリーは決して破綻してないんですが、そもそもの問題としてV.G.NEOという世界そのものが破綻しています。

 …登場人物の皆さんは自分のやっていることに疑問を持たないんですかね。

ウェイトレスの格闘トーナメントです。
負けたら慰めものです。
手からよく判らん理屈の怪光線が出ます。
色々と複雑な計器で選手のデータを取ってます。
…そんなワケのわからん事情で人が死にまくってます。


 常人だったらそんなことを真面目な顔でやれるはずがない!これだけは言えます。
こちらとしては黒服サングラスが出てきただけで噴飯ものですが、そんなものはまだ序の口で、更に気の触れたことを皆さんは本当に真剣にやっています。

 V.G.NEOというゲームを楽しむ秘訣は「現実を見据えた目でやるな!」「頭を空っぽにしろ!」「童心に返れ!」…この三つを守れば、自然とV.G.NEOの世界を受け入れることが出来るでしょう。…おそらく。


キャラ別感想

飛鳥優

 ゲーム本編の主人公。
彼女を中心にストーリーが展開します。
 性格はかなりグジグジしやすく、非常にマイナス思考です。
そういったところを抜かしても主人公としてはキャラクターが弱いと思われます。

 まあ妹原理主義なんで無条件に一番好きなキャラですが…。
普段は控えめですけど、兄のことになると人が変わったようになります。

下記のアンナの台詞に対してのキレた優の心情が好きです。

「兄妹で結ばれたいと思うのは、禁忌じゃなくて?」

(覗かれた! 覗かれた! 覗かれた!)

 …萌えますね。(すみません…台詞はかなりうろ覚えです…)
兄に対する秘めた想いを他人に覗かれ、それまで穏和だった優が一変して、ブチキレて襲いかかります。
 …こういうのは大好きです。

岡本歩美

 人気でそうなキャラだな〜。
という印象が残るキャラクターです。
 天才なんですが、内気でいじめられっこという性格のせいもあり、自分を卑下しているところがあります。
その劣等意識からか何事にも非常に努力家なところが萌えますね。
 …まあ、ゲームも後半になるとそこそこしたたかになりますが…。そこが笑えますな。

 彼女の回想シーンはどこかでみたことがあるキャラクターがてんこ盛りです。シナリオもどことなくそれに準じています。
こーゆうオマージュは大好きですね。

三角沙奈理

 非常に気持ちいい性格をしています。…同性愛の毛がありますが。
その嗜好も優オンリーなので良しとしましょう。EDでは男性キャラに寝取られ(?)ますし。

 V.G.NEOでは2番目に好きなキャラです。
なんかこの竹を割ったような短絡思考というか、清々しさが面白い。

 …あの寝取られ(?)さえなければ…っ!

ダイアン・ライアン

 非常に見た目通りな性格をしています……が、しかし、その実態は…!?
そんなキャラです。まあゲームをやれば何のことだかすぐにわかりますが。
 回想シーンの人情話は嫌いではないです。むしろ好きな位。
オチも展開も読めるお約束な話はどこかホッとしますね。

相楽桂

 ロリ眼鏡無口。
目に見えてわかるほどのあざとさは流石にあれですな。うん、あれです。

 彼女が控え室廊下を通るときの演出が好きです。
彼女が廊下を通ると蛍光灯が次々に割れていく…。
彼女の特異性を表すのに十分な雰囲気がでていました。
 …それぐらいしか記憶にありません…。

玉真珠

 ギャグキャラ?
でも、過去のシナリオが一番面白かった。
というか、坂本月夜萌え(笑)
兄弟子たちも格好良いです。彼女を取り巻くキャラは良すぎます。

 …彼女の立ち絵が怖い。顔の形が楕円で怖い。
目を見開いたCGが極端に少ない…。本当にアルアル言っている中国人に会ってみたい…。

アンナ・フェアゴールド

 ラスボス。
最後のCGの私服姿は萌えますね。
実は妹キャラ…見えねえ…。
…このゲームは無駄に巨乳揃いですが、彼女の立ち絵は群を抜いてデカいです。デカ過ぎです。

 …ところで彼女はなぜウェイトレス姿で戦場に赴いたのでしょう?
まあ、あれはどう見てもウェイトレスには見えませんが。


 このゲームの問題はCGのヘボさと、エロアニメヘボさです。
CGはデッサンが狂ってます。バランスが悪いです。
戯画としては力を入れただろうあのエロアニメもあれでは勃つものも勃ちません。乳の揺れがキモい。
性行為の音が犬が水を舐めている音に聞こえて仕方がないです。OPアニメの出来はどこに行ったんだ。
 …そもそも輪姦が好きではないです(それは個人的嗜好の問題)。

 シナリオは丸戸史明シナリオだけあってかなりの高水準。
続編が作ることを前提にしたような終わり方をしているので非常に締まりが悪いですが、締まりの悪さとCGとエロアニメに目をつぶれば十分に元は取れるゲームです。


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