ゆきうた
この町には、誰もが知っている昔話がある。
それは、「あの丘の上にある大木は、世界樹の末裔で、心の底から本当に叶えたい願いを叶えてくれる。」という昔話であった・・・。
学校に入学してはや1年半、学校やクラスメイトなどにも慣れ一番楽しい時期を過ごし青春の真っ只中にいる主人公。そんな12月のある日、クラスに転校生がやってくることから彼らの物語は、はじまる。
そんな主人公が、雪の降る季節に魅力的なヒロイン達と織り成す明るく楽しく、ちょっとせつない学園青春ラブストーリー。
FrontWingの姉妹ブランドであるSurviveの作品です。
まぁFrontWingと同じと考えれても問題ないと思います。…おそらく税金対策で別ブランドにしているだけだと思いますし。
いきなりですけど、このゲームは金がかかっていません。宣伝費もろくになかったのか、知名度は低いのかと思いわれます。
特にOPムービーの出来は酷いモノです。もうちょっと金かけて作って欲しかったですね。
今日日のMADムービー職人があのクオリティーのムービーを制作したら見向きもされないか、だめ出しを喰らいまくったでしょう。そのくらい駄目です。
メーカーサイトからダウンロードしたOPムービーがあの出来だと購入意欲を思いっ切り削がれます。
FrontWingのソフトはMAP移動タイプのゲームが多いです。
FrontWingから発売されたソフトは全部はプレイしていませんが、今現在の発売しているソフトの全てがMAP移動タイプのゲームではないでしょうか?
もちろん『ゆきうた』も例に漏れず、MAP移動タイプのゲームです。ゲームの攻略はしやすいんですが、私的にはあまり好きではありません。手抜きという感じがしませんか?
選択肢でゲームを進めるタイプと違い、MAP移動タイプのゲームはどうもゲームの進行が作業のようになってしまうんですよね。その所為で物語に没頭できずに冷めてしまいます。
シナリオはFrontWingのお得意の前半は高レベルなギャグを中心とし、後半の個別シナリオに入ると、どうしようもなくチープな愛憎シナリオ、または人が死ぬような鬱シナリオになることが多いです。
まぁ昨今のエロゲはそういうタイプのものがその大半ですが、FrontWingは前半のパートは本当に高水準なんです、萌えと笑いを綺麗に両立しています。キャラ立てが上手いメーカーなんですよね。でも何故か後半になるとどうにもアレな展開が多いです。
その出来の差が他のメーカーに比べて顕著なんですよ。
『カナリア』に然り『魔女のお茶会』に然り『グリーングリーン』に然りと‥後半が勿体ないゲームが多いです(『グリーングリーン』のはメーカーが違いますが)。ヒロインによっては後半も面白いものもあるんですが、それはかなり稀ですね。
HAPPYENDではなく、どこか影を残すような余韻もあってか、面白いものが多いです。
しかしゆきうたは前半ギャグは今までのFrontWingの作品と同じなのですが、後半は今までとは違います。
本作の後半は鬱に傾倒しており「死ぬ」「盲目になる」「あうあうあー」といった、プレイ中に不幸すぎてお腹が痛くなるような話ばかりです。
あらすじには…"ちょっとせつない学園青春ラブストーリー"
と書いてありますが、人の死生問題を「ちょっと切ない」で済ますのは如何なものでしょう。
しかも、1キャラに二つのEDがあるんですが、そのどちらのEDも救われなかったりと悲劇に対しての気合いの入れようです。
その二つに区分されるEND…片方はBADENDなんですが、そのBADENDに手抜きはありません。むしろBADENDの方がライターが本来書きたかったTUREと言ってもいいと思います。
別段私はHAPPYEND至上主義でもないので全然オッケーですね。
さて、妹レビューの時間です。
菜乃の為に「ゆきうた」を買ったようなモノですから語らせて下さい、おねげーします。
いやー笑わせてくれますよ。私的には「ゆきうた=菜乃」と言ってもいいぐらいに。
バカでアホな妹なんですが、脳が足りない馬鹿さではなくて何か鋭い、知的な馬鹿?そんな感じです。
ゲームオタでゲームをライフワークとしていて、ゲーセンでスコアを競い合ったり、休日はゲームの大会に参加したりと素晴らしい限りです。
更にはミリタリーオタという高尚(?)な趣味も持っています。お弁当にMREレーションを持って来たりしますし。
他にも目隠ししたままM16を解体・組み立てが出来きたり、第二次世界大戦中の戦車を全て言えたりとかなりの猛者です。時たま軍人口調になるのも萌えですね。
「俺のケツを舐めろ!」
「お母さんにしごいて貰え!」
こんなことを言う妹キャラはかつて居ただろうか?
これに萌えずに何に萌えろと。
そして菜乃の初エッチはひたすらに笑えます。こんなに笑えるエロシーンは他にはないです。
「じゃあ、迷っている隙を突いて、バックリとくわえ込んじゃいますか」
「カモンブラザー!」「オーケー、リトルシスター」
「痛だ! 痛だだだっ! や! ちょ! 痛い痛い! 内蔵出ちゃう!」
抱腹絶倒。文字通り腹を抱えて笑わせて頂きました。
それに菜乃の声が鼻につくちょっと萌えとは別ベクトルの特殊な声で、ただでさえ面白いのにこんな愉快な台詞を言われると笑う以外に何をしろ言うんでしょうか。
私的に菜乃は妹キャラベスト5に食い込むほどの逸材です。
菜乃のシナリオも他の面々と比べて鬱度が限りなく低いのでシナリオも純粋に萌えられます。…義妹では最萌えかもしれません。
妹を抜きにしてもかなり萌え度の高いゲームですし、シナリオの出来もいいです。
「お兄ちゃん大好き」しか脳がない妹には辟易している人や他人の不幸を楽しめる人にはこの『ゆきうた』はお勧めです。
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