「文々。異聞録」 第41話
全身の筋肉が悲鳴を上げていた。 血中を巡る乳酸が、これまでにない疲労を脳に刻む。 無理もない。人一人背負ったまま、この悪路を2時間以上は走り通しだ。 だが、こんなところで体を休ませるわけにはいかない。 もしここで挫けてみろ。取り返しのつかない事態になるぞ、衛宮士郎。 お前はお前を守ってくれた女の子すら助けられないと言うのか。 (クソ! まだ抜けられないのか!) 文には簡単な応急処置をしたが、そんなのは止血程度。 それもこんな不衛生な場所じゃ破傷風を始めとする感染症になりかねない。 後先考えず走ってはいるものの、 同じような景色ばかりで本当に出口に向かっているのかも定かではなかった。 このアインツベルンの森はあまりにも広大だ。 それにただ広いだけではなく、全域に背の高い常緑樹が生い茂っており、空が真上しか見えない。 その為、方向感覚が酷く掴みにくい。文に頼れない今になって、如実にそれが理解できる。 俺にできるのはただ漠然と行きに使ったと思う道を辿っているだけ。 そんな不確かな現状に苛立ちや焦燥ばかりが募り、疲労感もより一層強くなっていく。 だけど、決して投げ出したり、足を止めようとは思わなかった。 背中越しに伝わる微かな心音。少女の確かに鳴り続ける鼓動が俺を支えていた。 ……大丈夫だ。まだ大丈夫。 この鼓動を感じられる間なら、俺は決して挫けたりしない。この状況も。そして理想にも。 なんということだろうか――、俺はこんな時も彼女に助けられていたのだ。 無力な俺でも彼女を救えるという事実だけが、俺をこんなにも強く支えてくれる。 そのことにたまらなく胸が熱くなる。大丈夫だ、絶対に文を死なせたりしない。 …………。 森が切れた――。 腐葉土が堆積した土壌ではなく、久しぶりにアスファルトで舗装された道路に足を着ける。 時計を見るとイリヤの居城からほぼ3時間が経過していた。 森を抜けたことに僅かな達成感を覚えるが、それは錯覚だ。少女の命はまだ救えてはいない。 これまでの激戦が嘘だったかのような寂々とした夜の空気が閑散とした道路に流れる。 氷の如く冷たくなったアスファルトに立ち尽くし身を沈めていると、 間抜けな話だが今になって取り返しの付かない事実に気付いた。 ここはまだ冬木の郊外じゃないか。 森の出口がゴールのように錯覚していたが、それはとんでもない間違いだ。 こんな場所はもとより人の住む土地ではない。 俺の家どころか、市井からも何時間かかるような僻地なのだ。 文の飛行能力があったからこそ、短時間で来れたがここは元来、人の足で来る場所じゃない。 ……馬鹿な。俺は何を浮かれていたというんだ。そんなのは、少し考えれば判るじゃないか。 それに今は深夜と言っても差し支えのない時間。こんな時間帯に車が通ることはまずない。 仮に運良く通ったとしても、こんな血まみれの男女を誰が乗せてくれるというのか。 厄介事と思われて無視されるのではないだろうか。 どうする? どうればいい? 仮に何時間か掛けて、町に戻ったとしても文の体力が保つ保証はどこにもない。 こうやって立ち止まって悩む時間すら、文字通りの致命的なものになる。 少女は目を醒ます様子もなく、間隔の短い呼吸を繰り返している。 顔色は血の気が引いており、極端に白く冷たい。 この容態はとてもじゃないが、良くなっているようには思えなかった。 早く本格的に治療をしなければ手遅れになるかもしれない。 ――ざくり、と背後から土を踏みしめる音がした。 たった今走り抜けた森の方角からだ。それも徐々にこちらに向かって音が近づいてくる。 咄嗟に振り向くと。 「え? もしかしなくても、衛宮君?」 そこには遠坂がいた。走り疲れた様子で呼吸を整えている。 「……どうして遠坂が後ろから来るんだ?」 突然現れた遠坂に驚いてしまい、そんなどうでもよいことを口にしてしまう。 だが、遠坂は俺よりも大分先にこの森を抜け出そうとしていた筈だ。 彼女が道に迷うとは思えないし、どうして俺の背後から来るのだろう。 全力で走ってはいたが、人を背負っていた俺が抜けるとは思えない。 「敵のテリトリーで無闇に逃げるより身を潜めた方が安全かと思ったからよ。 でも貴方たちがバーサーカーの相手をしてくれたお陰で、なんとかなったわ」 遠坂の傍らに常にいたセイバーの姿はどこにも見えなかった。 そもそもセイバーはバーサーカーの一撃で、動き回れるような状態ではない。 「セイバーは無事なのか?」 今は遠坂たちと敵対はしてはいるが、容態の心配ぐらいはしても構わないだろう。 「ええ、セイバーは私の家で治療中よ。 レイラインの繋がりを感じるから問題ないと思うけどね。 ……それよりも今回のことで気落ちしてなきゃいいんだけど。彼女、あの通りプライド高いから」 どうやら遠坂は令呪の力でセイバーを自宅まで転移させたらしい。 空間転移なんて大魔術と呼べる領域だ。そこまでを可能とさせる令呪に改めて感嘆する。 今もまだ左手の甲に二画残る令呪、使い時は考えなければいけない。 「ちょっと待って? 衛宮君がここにいるってことは……。 え? 嘘? もしかしてあんたたち、バーサーカーに勝てたの?」 「ああ、文が倒した」 ――俺は見ているだけで何もできなかった。 思わず、自分の情けなさも一緒に吐き出しそうになるが寸前のところで押さえ込む。 こんなのは自分自身の問題であって、どう考えても遠坂に言うことじゃない。 「どうやったかは知らないけど、まさかその娘がね。 セイバーがバーサーカーの命をかなり削ったとはいえ、ちょっと信じられないわね。 ……んで、今はあんたの背中にいると。で、そいつ大丈夫なの?」 「……これが大丈夫そうにみえるのか?」 遠坂の物のついでのような言い方に、つい語気が荒くなってしまう。 その語調が遠坂にも伝わったのか、不機嫌そうに眉間に皺を寄せ、俺の後ろに回って文を確認する。 背中のもぎ取られた翼の酷たらしい傷を見たのだろう。息を飲み、絶句する。 「……そうね。ごめん、今のはちょっと失言だったわ。取り消して頂戴」 遠坂が謝罪をする。 まさかこうも素直に謝られるとは思っていなかったので、どう反応していいのかわからない。 両者無言のまま、どうしようもない気まずい雰囲気が流れる。 ただ、俺にはこんなところでぐずぐずしているような余裕はない。 今すぐ深山に徒歩で向かうべきか、それとも他の手段を考えるか決断しなければならない。 「ん。そろそろね」 その旨を伝えようとすると、遠坂がこれまでの気まずさから一点して口火を切るように呟いた。 「そろそろって何がだ?」 「まぁ、待ってなさい」 文のこともあって、どうしても焦りが混じるのを遠坂が咎めるように諭す。 ……暫くすると、車の走行音が町の方角から聞こえてきた。 だが、こんな状態の文を誰かに見られるのはまずい。背中の少女を隠すように数歩下がる。 「うん。時間ぴったりね」 満足そうな遠坂の目の前に停止したのは一台のタクシー。 どうやらその様子からして彼女自身が手配したもののようだった。 「衛宮君、ついでだから乗ってきなさい。この後どうせ家に帰るんでしょ?」 「……いいのか?」 「そんな顔をしている奴、いくら私でも放っておけないもの。 それになんだかんだでいろいろと借りがあるしね。これでチャラにしてもらうわ」 車で移動できるなんて是が非でもない。 だが、タクシーの運転手に満身創痍の文が気付かれてしまう懸念があった。 翼さえ見られなければ普通の少女と変わりないので神秘が露見するとは思えないが、 傷に関してはここまで酷いと隠し通せそうもない。 もし人間ではない文が一般の病院に運び込まれることになったら大変な事態になるだろう。 「悪いけど、ここでちょっと待ってて」 遠坂はそう言うと、運転席の方に回りタクシーの運転手と二、三言葉を交わす。 この距離からでは聞き取れないが、まさか文のことで話を付けたのだろうか。 「さ、いいわよ。乗りなさい」 「……今何を話していたんだ?」 「別に何の話もしてないわよ? このままじゃ彼女が怪しまれるだろうから認識を逸らす暗示を掛けただけ」 何のことでもないように遠坂が言ってのける。 魔術的な耐性のない人間ならば、さして苦労もなく認識を操れるらしい。 (尤も俺はそんな初歩的な魔術もできないのだが) タクシーに乗る際、文を横にしたいので、遠坂には悪いが助手席に座ってもらった。 ……車内での会話も暗示によって運転手の耳には入らなくなっているらしい。 とは言うものの、遠坂とは何となく話せる雰囲気にはなれずに時間だけが過ぎていく。 車内で所在なく視線を彷徨わせ、文に容態の安否ばかりが胸中を占める。 横になれた所為もあってか、今は安定しているようだが、それもいつ変調を来すのかもわからない。 そんな中、一つだけ気になったことがあったので、それを遠坂に訊いてみる。 「遠坂は携帯電話を持っていたのか?」 「……いきなり何よ? 持ってないわよ。そんなもん」 確かにそんなことを訊かれれば訝しげな様子になるのは当然だろう。 「じゃあどうしてタクシーを呼べたんだ?」 「はぁ。そんなこと。 タクシーでここまで来たんだから、帰りも考えるのは当然じゃない。 時間になったら、もう一度ここまで来るように前もって頼んでおいたのよ」 俺のようにサーヴァントの力を借りれば、車よりも早くアインツベルンの森に着けた筈だ。 但し、魔術とは秘匿されるもの。 なるべく神秘には頼らずに、タクシーといった移動手段を用いた方がいいのだろう。 闇に紛れたとは言え、軽々しく空を飛んでくるなんて異端も異端。 かなり軽率な行動だっただろう。遠坂に知られないようにしないといけないな。 「そういえば、彼女、アーチャーだっけ? ……とても三騎士には見えないけど」 「本人はどうでもいいみたいだけど、どうやらそうらしいな」 確かに他の三騎士であるセイバーやランサーと違ってとてもじゃないが騎士には見えない。 ほかのサーヴァントがアーチャーだと言っているだけで、事実は違う気がした。 文も召喚されるにあたっては聖杯戦争のシステムを根本からねじ曲げたみたいなので、 正規のサーヴァントとはとても言い難い。 ただ、ライダーやキャスターとの闘いを見るに遠距離戦を土俵としているようなので、 アーチャーと思われても仕方がないだろう。 「ふぅん。肉体を持ったサーヴァントね。 私のセイバーも似たようなものだけど、アーチャーはそれに輪を掛けて特殊みたいね。 なんでそんなのが、聖杯戦争にいるんだか」 「なんでも、自分の書いている新聞のネタを求めて別の世界から来たらしいぞ。 ここ数日はそうでもないけど、初めのうちは聖杯戦争にも興味がなかったみたいだ」 「ホント呆れるわね。 ……教会でタクシーを停めてあげるわ。その傷、綺礼に診てもらいなさい」 「……綺礼って、教会の言峰綺礼のことだよな。なんであいつなんだ?」 あの言峰綺礼という男に対して俺はどうしても不信感をぬぐい去れなかった。 何か明確な理由があるのではなく、感覚的なものなのでそれを言葉にするのも難しい。 聖杯戦争の監督者というが、可能な限りは関わりたくない相手だ。 「ああ見えても綺礼は心霊医術のエキスパートよ。 霊体、精神の傷を治す手腕なら司祭レベルに達しているわ。 尤も監督者という立場上、直接的な手助けはできないけど話ぐらいは聞いてくれるかもね」 ――文の治療。 俺たちにしてみたら願ってもない話だ。 だが、それは遠坂にしてみれば自分の足を引っ張ることになる。 聖杯戦争を勝ち抜こうと合理的に考えるのであれば、俺たちを助けることに何のメリットもない。 今回だってそうだ。俺たちを放っておけば勝手に自滅していた可能性も十分にあったのだ。 そもそも、戦闘力で勝る遠坂がこの場で聖杯戦争の終止符を打つこともできるだろう。 だけど、遠坂はそれを一切しなかった。 「ありがとう、遠坂。本当に良い奴だな」 「フン。何を言ってるんだか。そう思うならタクシー代は割り勘にさせてもらうからね」 ああ。それぐらいだったら喜んで払わせてもらうさ。 ―――――――――― 新都の郊外にある言峰教会に着くと遠坂は先に話を付けてくると言い、一人で教会に入っていった。 教会へ向かう際、苦々しい表情を隠しきれずにいる様子を見ると、どうやら彼女もあの神父は苦手らしい。 タクシーの中、さして上等ではない膝の上で眠る少女の寝息を聞きながら帰りを待つ。 これまで運転手は一度も言葉を発していないが、本当に認識を逸らす暗示を掛けただけなのだろうか。 遠坂のことだから万が一の間違いはないだろうが、その虚ろな表情に少しだけ心配になってくる。 ……そんなどうでもいいことを考えていると、思った以上に早く遠坂が教会から出てきた。 「どうやら留守みたい。まったく、監督だというのにどこで何をやってんだか。 ……もう、居て欲しい時に居ないなんて本当に嫌な奴ね。衛宮君もそう思うでしょ?」 返答に困る理不尽な同意を求めないでほしい。 「居ないんじゃ仕方がないわね。悪いけど自分でどうにかしてみなさい。 ……衛宮君、わかっているとは思うけど、 貴方もこの娘をサーヴァントとするのならそれはマスターとしての責務よ」 知ってか知らずか、その言葉は核心を突くものだった。 俺は彼女のマスターに足る存在ではない。だけど、それでも一度ぐらいは彼女を救ってやる。 「ああ。わかった」 自分に言い聞かせるように決意を表に出すと、遠坂は再び夜の町へタクシーを走らせる。 どうやら先に俺の家へと向かってくれるようだった。 …………。 「正直に言って、私はあんたたちを舐めていたわ。どうせ途中で脱落すると思っていた。 でも蓋を開けてみればここまで勝ち残ったのは衛宮君たちだった。 だから今まで舐めていた分、これからは貴方たちに敵としての敬意を払わせてもらう。 そして、遠坂の名に賭けて私たちが聖杯を手に入れてみせるわ」 衛宮邸の前――。 深山の住宅街はすっかり寝静まり、タクシーのエンジン音だけが聞こえている。 遠坂に礼を言うと俺は文を背負い直し、玄関へと向かう瞬息の間。 ここまでの間、目を背けて来た現実を助手席の窓から遠坂が言い遣る。 振り返ると、これまでにない決意を秘めた紺碧色をした瞳。 その決意の深さにたじろぎそうになるが、俺も目を逸らさず包み隠さず本心を告げる。 「俺は聖杯なんてものは必要ないんだ。 文もそうだと言ってた。何度も言うが、俺は遠坂と戦いたくない」 そう。これは聖杯戦争が始まってから遠坂に何度も告げた言葉だ。 今度も呆れられると思ったが、遠坂の表情は微かにも揺るがない。 「わかってる? これは宣戦布告なのよ、衛宮君。 今更だけど、こんな馴れ合いは今ここで終わらせてもらうわ。 貴方もここまで勝ち残ったんでしょ? もうどうにもならないことぐらい理解しなさい。 ……それじゃあね。寝込みには精々気をつけることね」 それだけ言うと、遠坂はタクシーを走らせどこかに消えていった。 おそらく自宅へ戻ったのだろう。 彼女もセイバーの状態が気になるのに最後まで俺を優先してくれた。 遠坂は相当なお人好しであると同時に、俺なんか比べものにならないぐらい格好いい女の子だ。 最後に見せた目は本気であると物語っていた。 成り行き上、遠坂とはこれまで一度も刃を交わすことはなかったが、これが本当に最後の警告だろう。 残るマスターとサーヴァントが二組である以上、もう都合良く逃げ回ることもできない。 だけど、甘いと言われようが、こんなくだらないことで殺し合うなんて間違っている。 何を言われようと、その考えだけは絶対に曲げたくないし、間違いなんかじゃない。 たが、今は行き場のない蟠りに義憤するのではなく、何よりも文の怪我を診なければならない。 足早に玄関を潜り、灯りを点け、文が住む和室へと運ぶ。 その六畳程度の和室には着替え以外にも、ボトルインク、書き損じの原稿、 市場には流通していない形状のフィルムなど、おおよそ女の子らしくないものが散乱している。 ただ、インクの匂いに混じって、ほのかに甘い香りもした。 それらを隅に退かして布団を敷くと、その上に部屋の主である少女を寝かす。 俺には魔術的な治療は一切できないが、簡単な傷の治療ぐらいはできる。 文には悪いが、ぼろぼろになったブラウスをハサミで切ることで脱がすことにした。 ……簡素な下着に包まれた小振りな胸が露わになり、ドギマギしてしまう。 不可抗力とはいえ、微かに上下する膨らみに目が行ってしまうのは健全な男子生徒の性だと思いたい。 だが、そんな邪な考えは体を預けてくれた文に対する裏切りだ。 邪念を振り払い、消毒をする為に疵口を清潔なタオルで拭いてみると、おかしなことに気付く。 容態によっては最悪この手で傷を縫うことも考えていたが、体中どこにも傷らしい傷がない。 血糊が付いていたことにより酷く見えていただけで、今はもう跡形すらもなくなっている。 思い出してみれば、ライダーにやられた時もそうだった。 学園でライダーの凶器で受けた傷も、その日のうちに殆どが塞がっていたのだ。 冷たかった体も体温を取り戻して、健康的な色に落ち着いている。 考えれば、呼吸もタクシーに乗った頃から寝息と言える程度に落ち着きを取り戻していた。 ……たった数時間でこの再生力はただ事じゃない。妖怪というのはみんなこうなのだろうか。 しかし、バーサーカーに根本からもぎ取られた翼だけは今も尚、生々しい傷を晒していた。 この片翼だけ欠けた少女の姿を見ると、自分の不甲斐ない気持ちがどうしようもなく沸き上がってくる。 翼の傷に軟膏を塗布すると文の端麗な顔が無意識のうちに歪むが、我慢してもらうしかない。 可能な限りの治療を済ませると変な癖が付かないように包帯で処置し、洗濯したてのパジャマを着させる。 水分を摂らせたかったが、点滴でもない限り意識を失った状態での水分補給は危険かもしれない。 今、少女は静かに寝息を立てている。 最悪、正体を晒すのも覚悟で病院に連れて行くことも考えていたが、この様子なら大丈夫そうだ。 つたない処置だったかもしれないが、これが今の俺にできうる精一杯だった。 少女の手を軽く握り、体温を直接感じる。 自己満足に過ぎなかったが、体温を感じれば安心することができた。 そして最後の記憶は空が白み始めた頃、俺の意識は蓄積された疲労によって飛んでいった。
後書き 文の台詞がひとつもないのは初めてです。 平均に比べると長い話だけど、彼女がいないと話がどうも動きませんね。 そんなわけで今回はまさにFateでやれなお話でした。 2008.9.25