エロゲ2005 Best10
10位 『_summer』(HOOK)
2005年にプレイしたソフトが合計10本なので、
否応なしにTOP10入りです(去年も同じようなを書いています)。
前作の『LikeLife』は地の文(会話以外のテキスト)がほとんどなかったおかげで、
非常にテンポのよい作品でしたが、『_summer』ではその部分が残念なことに損なわれています。
更には『LikeLife』と比べてキャラクターの魅力もイマイチ。
グラフィック、音声、音楽などがある程度の水準を保っているのに、
テキストが眠くなるほど退屈なのはどうなんだろう。もったいない。
9位 『ToHeart2』(Leaf)
PS2版は2004年に発売されましたが、18禁版は2005年に発売されたので、こちらにランクイン。
おはようからおやすみまで、きっちり書かれているのが古き良きエロゲらしくていい感じ。
ストーリー時代はそれほど起伏の激しいものではなく、
退屈と言えるかもしれませんが、キャラクターの魅力でそこを補っていますね。
特別秀でたところはありませんが、すべての面において丁寧に作られているところに好感。
お気に入りキャラ:このみ
お気に入りシナリオ:いいんちょ
8位 『グリーングリーン3 ハローグッバイ』(Groover)
グリーングリーンシリーズの完結編。
といいつつも、Grooverの新作が『金ノ音ダイナティック』だということは気にするな。
『グリーングリーン3 ハローグッバイ』はグリーングリーンを完結させるのに相応しい内容でした。
なかでも双葉、ちとせシナリオの出来の良さは後半の盛り上がりが欠けるグリグリシリーズでも1、2位を争うと思います。
やはり、グリグリシリーズの魅力は男どもとのバカトークでしょう。
もちろんグリグリ3でもそのギャグ満載のテキストは遺憾なく発揮されており、相変わらずイカしています。
女性キャラよりも男性キャラのほうが登場人物が多い……それでこそグリグリですね。
お気に入りキャラ:河瀬ちとせ
お気に入りシナリオ:朽木双葉
7位 『最果てのイマ』(Xues)
田中ロミオ氏の作品。
もともと異色作の多い田中氏の作品のなかでも群を抜いて異色と言えます。
とにかく情報量の多さに頭を悩ませるゲーム。適当にメモを取らないと理解に苦しみます。
ただでさえ情報量が多いのに、ストーリーの時系列もメチャクチャなので整理しなければなりません。
それでいて、ゲームでユーザーに開示されない情報、結論もかなり多いです。
度々展開されるシニカルなギャグも何か裏があるんじゃないのかと、邪推してしまいますね。
エロゲのテキストを読んでいて教科書を読んでいるように錯覚するのはこの作品ぐらいです。
一周クリアしただけで、この物語の全容を解明することはまず不可能でしょう。
2周目をプレイして、ようやく今までのバラバラだったピースが一つに繋がります。
……あれ?まるで誉めてないぞ?でも面白かったのは確かなので7位です。
お気に入りキャラ:紅緒あずさ、イマたん
お気に入りシナリオ:朽木双葉
6位 『a profile』(あかべぇそふとつぅ)
05年から頭角を現したるーずぼーい氏の作品。
この作品は商業作品ではなく、同人作品なので一般のお店では購入できません。
ただ、あかべぇそふとつぅから商業作品としてリメイク版が発売されます。
リメイク版のタイトルは『その横顔を見つめてしまう〜A Profile 完全版〜』。
……メチャダサいタイトルですが、気にしない方向で。
とにかくユーザーをビックリさせることを念頭に置かれた作品ですね。
序盤の展開は普通の萌えゲーのような展開ですが、
ある程度進行すると作品全体に澱んだ空気が流れているのを感じると思います。
ただの学園ものエロゲーだと思っていたので、かなり驚かさせました。
もちろんこの作品でもるーずぼーい氏お得意の叙述トリックも健在です。
5位 『Fate/hollow ataraxia』(TYPE-MOON)
言わずとしれた『Fate/stay night』のファンディスク。
ファンディスクとは思えないボリュームは歌月十夜から引き継いでいます。
同じ時間軸を何度も繰り返すことによって物語の真相が見えてくる構成。
全体の主軸となるバゼッタを主役にしたシリアスなパートと、
コミカルで二次創作風なギャグパートが交互に展開されます。
……熱帯魚なら、ぷかーと浮かんでしまいかねない環境差です。
ファンディスクらしくミニゲームも豊富で、花札のこいこいで遊ぶ「とらぶる道中記」の作り込み具合は素晴らしい。
中毒性の高さもかなりのものです。「とらぶる道中記」で全体プレイ時間の1/3はここに費やすことになりました。
4位 『ゆのはな』(PULLTOP)
4位は『ゆのはな』
何の捻りもないスタンダードなエロゲーですが、そこが却って良いです。
主人公を初めとして、ストレスの原因となるような嫌味な登場人物がいないのでプレイしていて心が温かくなります。
ギャグのセンスもドリフ的というかなにしろ直球で、これもまた嫌味を感じさせません。
特別秀でたところはありませんが、シナリオが好みだったのが4位にランクインした最大要因です。
……基本的にバイトを繰り返してお金を集めること主目的としたシナリオなんですが、
ノベルゲーなのに現在の所持金が数値化しているところが、無駄に凝っていて面白い。
路面凍結した深夜の道路を大型バイクで爆走するところも、シュールで面白い。
お気に入りキャラ:ゆのは
お気に入りシナリオ:ほなにー
3位 『あやかしびと』(propeller)
propeller(プロペラ)第二作目。
少年漫画をそのままエロゲにしたような作品。
コミカルな学園パートと、異能者による能力バトル。基本的にその繰り返し。
戦った相手が仲間になるところも王道で良し。
主人公よりも渋いオッサンが格好いいというエロゲにあるまじき作風です。
シナリオライターの趣味がこれでもかと前面に出ていますね。
通常はおざなりになりがちな主人公以外のバトルも綿密に書かれています。
……むしろ主人公の影が薄いぐらいです。最高。
お気に入りキャラ:如月すず
お気に入りシナリオ:一乃谷刀子
2位 『つよきす』(きゃんでぃそふと)
パロディネタを中心にしたギャグストーリー。
今流行り(?)のツンデレを主軸としたキャラクター。
…・ツンデレの定義を何か間違えているような気もするけど気にしない。
とにかくテキストセンスが冴え渡る作品です。
パロネタも面白いですが、そういったネタに頼らなくとも充分やっていけと思います。
キャラクターがあってストーリーのあるキャラゲーなので、シナリオは少し薄味と感じてしまうかもしれません。
しかし『つよきす』に限ってはキャラクターの掛け合いと、ヒロインとの恋愛を中心にして正解だと思います。
特に盛り上がるところがないシナリオをクリアした後でも、「ああ、面白かった」と感じられるのは素晴らしい。
こと『つよきす』に於いては人が死ぬ不幸な事件も、
この世の不幸を背負った少女も、世界が滅びるような危機もいりません。
お気に入りキャラ:鉄乙女
お気に入りシナリオ:蟹沢きぬ
1位 『車輪の国、向日葵の少女』(あかべぇそふとつぅ)
2005年のナンバー1は『車輪の国、向日葵の少女』。
面白かった順としては2位の『つよきす』と僅差ですが、琴線に触れた作品としてはダントツです。
6位にランクインしている『a profile』と同じライターの作品です。
プレイヤーを驚かせる手法が本当にウマい。少しずるいと感じてしまうぐらい。
犯罪者が刑務所に入れられることがなく、罪に沿った形の義務を与えて、更正させる世界での話。
日本という国が創作の世界でしか出てこないという、SFチックなところも好み。
プレイ開始5分でこの世界観に引き込まれるか引くかとのどちらかでしょう。
たった5分でこの世界の異質さがわかります。
……とにかく魂が震えるシナリオですね。さちシナリオは絶賛フリーター中である私にはガンガンに響きました。
人によってはあざとすぎ、狙いすぎと感じてしまうでしょうが、それでも私には今年最高と言えますね。
お気に入りキャラ:お姉ちゃん
お気に入りシナリオ:三ツ廣さち
●総括
2005年は10本プレイしてないのではないのかと思いましたが、数えてみたらちゃんと10本ありました。
2005年は感想を書かなかった作品が多かった所為かどうにも印象に薄いです。
2004年も10本しかやっていないのですが、『CLANNAD』や『Fate/stay night』といった本来ならば
数年に一本しか出ないような大作が、2本も出たから強く印象に残っているのかな。
……私のランキングとここのデータと照らし合わせると
『夜明け前より瑠璃色な』をやっていないことが罪のように思えてきました。
ほかは僅差なのに1位と2位は1300票差ですか。すげい。
あとは『パルフェ 〜ショコラ second brew〜』かな。これは丸戸氏のファンとして是非ともやっておきたい。
2005年でやり残したと感じるのは『パルフェ 〜ショコラ second brew〜』だけですね。
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